退院してからムスメはしばらくカミさんの実家にいることになっていた。
ワシはというと、自宅から週に何日か通う予定だったのだけれど、カミさんも(ご両親がいるとはいえ)一人じゃ不安だということで、ワシもカミさんの実家で一緒に生活させてもらうことにした。
何しろ今までは不安なことやわからないことはすぐ聞ける状況にいたわけで、それがいきなり全部自分たちでやるのだもの。
でもなんか病院じゃない場所にいる我が子は新鮮だ。そんなカミさんの実家も新鮮だ。
初めての沐浴
カミさんの実家についたらばベビーベッドを組み立てて、沐浴に入れることにする。
病院では看護師さんがやるのを一度見ただけなので、いきなり一番高いハードルがやってきた気分だ。
やっぱり首がふにゃんふにゃんだ。なんて脆い生き物なんだ。とか思いながら、カミさんと二人でおっかなびっくり入れる。
風呂おけは知人にいただいたこちらを使用。肺活量が試される。
初めてのミルク・哺乳瓶の消毒
「哺乳瓶は毎回消毒してくださいね」とのことなので、鍋に湯を沸かし煮沸消毒する。
これ毎回やるのかなり面倒だな。。と、調べたところ電子レンジで消毒できて、そのまま哺乳瓶ケースになるという神商品があったので、その日に急いで近所の西松屋で購入してくる。
母乳は(当たり前だけど)カミさんがやって、ミルクはワシが担当。粉ミルクは病院でも使っていたキューブタイプのやつ。もうこの辺は慣れたもんである。40mlなら蛇口から流水に30秒くらい当てれば、人肌くらいになるのだ。
哺乳瓶は2つ買っていたのだけど、片方のnukっていうブランドのものは量が出過ぎて口からミルクが溢れてしまうため、調子のよかったチュチュベビーのみでやる。
しっかし、、この先数ヶ月は母乳とミルクだけで成長するなんて、、、。お乳ってのはものすごいものなんだなとしみじみする。
そして終わらない夜泣き騒動
母乳を飲んでくれないとか、全然寝れない!!とカミさんが爆発したりはしたけど、まあ日常の範囲内で穏やかに日々は過ぎていく。
しかしそんなある日ある晩、ムスメの様子が、、、。
普段はきっちり3時間おきに泣いてはお乳をやる夜の過ごし方だったのだけれど、その日は23時くらいから何故かずーーっと泣き止まなくて、カミさんと二人であたふたあたふた。
「新生児の頃は赤ちゃんは理由があって泣く」というのを何かで見たので、ミルクをやり、おむつを替えども泣き止まず。
歌を歌えど砂嵐を聞かせても泣き止まず。父ちゃんスクワットも父ちゃんバイキングもこの時は通用しなかった。
どこか痛いんじゃないか、具合が悪いんじゃないか。とすごく不安になる。
3時をまわっても泣き止まず、色々調べても何が正しいのか判断できなかったため、念のためということで救急がやっているところを教えてもらう。
しかし5時間以上泣いた後いきなり泣き止む
カミさんの父ちゃんが車を出してくれるということで待っていた間も、ムスメはずっと泣いていた。
しかし、朝の5時ごろ。何事もなかったかのようピタッと止まる。
カミさんの父ちゃんが帰ってきてくれた時には、すっかりぐっすりと眠っていた。
朝の6時半。さすがに泣き疲れたのだろうか。
結局原因がわからず、病院に連れて行くか悩んだけど、熱もないし、カミさんのご両親とも相談して少し様子を見ることにした。
そして、全く問題なくいつも通りのムスメに戻っていた。
その後も何時間かに渡って夜泣きが続くこともあったけど、新生児でも理由なく泣くこともあるのかもなあ。とか
機械じゃないんだし、人それぞれで個性があって当たり前だよな。とか
もう少し父ちゃん母ちゃんも強くならなきゃいけんなあ。とか色々思うことがあった。
他の人から見たり後から見返すと「なんじゃそんなことで大騒ぎしなさんな」と思われるかもしれないが、育児は基本狭い世界で行われるので視野も狭くなりがちなんだ。それに何か熱っぽいし……寝不足だし…めまいも…
しかしとにかくかわいい
ゴリゴリの仏教徒の祖父母に「天使だ」と言わしめるその実力。
今はそれで全て救われている。
そしてまだまだ本当の戦いは続くのだが、ワシはまだ知る由もない。