DTM初心者の鬼門の一つ(であろう)「マスタリング」。
そもそもミックス・マスタリングっていうのは専門技術ではあるのだが、ワシのような趣味でやってるようなDTMerがマスタリングエンジニアさんを雇うわけもなく、結局自分でやることになる。
しかし曲を作って書き出したものを聞いてみると、明らかに既存の曲に比べて音が小さいとか、結構ある。ワシはある。
素晴らしき先人たちが残してくれたマスタリングに関するエントリーを読んでみるも、専門用語が知ってる前提で出てきたり、人によって言ってることがバラバラでかえって混乱してしまった。
そんなわけで本屋さんに行って(何かあるとすぐ本屋さんに行く)、EQやコンプ、マスタリング関係の本を物色してみる。一番わかりやすかったのが「DAWではじめる自宅マスタリング」だったのでである。
なんで人によってマスタリングの方法が違うの?
これは、マスタリングに正解はないというところに尽きるのではないだろうか。
マスタリングの目的は「音圧・音質を目的のものにする」というもの(厳密にはちと違うらしいが)だけど、極端な話その手法は問わないわけで、ジャンルによってもエンジニアさんの好みによっても変わってくる。
「DAWではじめる自宅マスタリング」を読んで
本の著者は株式会社マリモレコーズの代表取締役でありながらレコーディングエンジニア、マスタリングエンジニア等マルチに活躍する江夏正晃さん。
マスタリング・ミックスに必要な知識を段階的に学べる
はじめにマスタリングの基礎知識として、「ステムミックス」や「RMS値」等の用語解説やその目的を順を追って解説してくれる。
ワシが初めて書き出した曲。PEAKメーターが0.1を振り切らないようにということだけ気をつけてリミッターをかけたりしたんだけど、やっぱり音が小さく感じたのはRMS値を見てなかったのが大きな原因だったんだなー。
RMS値なんて少し慣れた人からしたら常識かもしれないし、マスタリング初心者用の記事でさえ知ってる前提で「RMSメーターの値を云々」なんて書いてあるけど、なぜそれが必要なのか、どういう風に使用するのか。というところまで書いてあるおかげで、納得しながら進められた。
用途別、ジャンル別のマスタリングを参考音源を聴きながら学べる
ぶっちゃけ文章だけで「ここでコンプレッサーをどうたら」とか言われてもピンとこないし、かといってマスタリング前の素材を準備して実際にソフト動かしながらなんて、通勤等の移動中とかにサクッと読みたいなんて時には難しいし、、
なんて人もご安心をば。楽曲タイプ別でマスタリングのセオリーを解説してくれる上に、パラデータ(トラックごとの、ギターだけとかベースだけとかの音)や各プラグインの効果、ミックス・マスタリングの前後の音源まで用意してくれているいたれりつくせりっぷりだ。
さらに、なんとCubaseプロジェクトが付属してるので、Cubaseユーザーは実際にかかっているプラグインを確認できるのだ!
プロが実際に使っているプラグインを知ることができる
part5ではプロ目線でオススメのプラグインを紹介してくれる。
といっても、大半はiZotope社の「Ozone」の説明なのだけど。
自動マスタリングソフトなんて紹介しちゃっていいのかな?って思ったけど、自動マスタリング機能は「Ozone8」からで、この本が出た時は「Ozone7」が最新バージョンだったのね。
まあ、自動マスタリングソフトを使うにしても知識は必要なんだけど。
終わりに
モヤっとしたままなんとなくやっていたマスタリング(やっていたというほどのことはやってないか)ですが、色々腑に落ちるところがあって非常に参考になった。
と同時に、マスタリングの予想以上の専門性の高さに驚いた。こおろぎさんちでも言ってたけど、作編曲に注力したい人はやっぱりエンジニアさんに頼むとか、自動マスタリングソフトを使うのも手だよなー。
では、よいDTMライフを。